日本の神話を知りたくて、古事記やら日本書紀を読んでいた時期がありました。そのベースがありながら、テレビ等を見ていると、中国のとかが似ている話が多いな。。。という漠然と感じている中、出会ったのが本書。
世界の遠く離れたさまざまな場所によく似た筋立ての神話があることは、読者もお聞きになったことがあるだろう。
神話には、大きく分けて二種類あり。
ゴンドワナ型神話とは、物語化するのが至難な、というか、そもそも「物語」という営みが成立する以前に存在していたホモ・サピエンスの原型的な思考である。
ローラシア型神話は神がいかに世界と人間を創造したのか、いかに人間はその生存域を拡大したのか、また人間の間にいかにして不平等が生まれていったのかを語る神話である。
一方、ゴンドワナ型神話は、そもそも人間と、動植物や自然現象を区別しない時代、人間もその一員として森羅万象や動物、木々や花々とともにささやき合っていた時代の神話である。
印象としては、ゴンドワナ型のほうがより古い感じがするのに対して、ローラシア型は支配構造ができてからの話のように感じます。支配構造が自分たちの権威を確かなものにするために、神話というものを利用していたのかな?とも。
日本やヨーロッパ、中国の神話が似ているのは次の理由があるらしい。
世界神話学説によれば、これらはすべてローラシア型神話群に含まれるのだから、似ているのはむしろ当然となる。
ゴンドワナ型のほうが、平和というか調和がとれており、様々な人々や物事を許容しているそんな感じを受けます。
昨今の震災や台風、豪雨の被害を見ていると、人間は自然というものをコントロール下に置くことはできないのだなと。むしろ、コントロール下におくという発想自体がおかしいのかもしれない。
自然や様々なものと受け入れ、調和をとっていく。そうしていくことで、現在おこっていることをうまく受け入れていくことができるのかもしれない。
そして、多様な考え方があるというのを認めていくことで、いろんな問題が少しづつだけれどもクリアにしていくことができるのかもしれない。
そんなことをふと思いながら、神話の世界の奥深さにふれた本書でした。