不倫/中野 信子 ~こういう本を出すのって勇気あるなと思う~
一度この本を本屋でみかけたときに、衝撃的なタイトル。
興味はあれども購入は一度見送り。そのあと電子書籍でたまたま見つけたので、まぁいっかと思って購入。
たしかにマスコミで不倫の報道とかを面白おかしく報道されるのを見ていると、してはいけないものという倫理観があってのもの。
読んでいくと思うのは、まともというか、どうして不倫をするのか?というのを科学している。
遺伝学の話やら、心理学の話やらで。
ちょっとタイトルを見て、大丈夫かなと思っていたのですが、心理学の話で放送大学の話でみたことのある試験の内容がでてくると、ここで物事がつながるのかと思って妙に納得したり。
結局のところ、社会的なところが大きいのかなというのが印象です。
不倫すること自体が、共同体の崩壊に結びついていく。結局共通のインフラをタダ乗りしているのと同じ。
不倫をする人間は社会集団の中での「フリーライダー」とみなされることが多いからです。
ここででてくるフリーライダーはこちら。
フリーライダーはその名のとおり、「コストを払わずにタダ乗りする人」の意味です。
このフリーライダーに対して組織を守っていく上ではどうしても処罰等をしていかないといけない。
共同体の崩壊を避けるためにフリーライダーを罰して「きちんとコストを払え」と強制するか、共同体から追放しなければなりません。また、「抜け駆けするやつは罰せられる」と見せしめにし、規律を維持する必要があります。
サンクションは利他的な振る舞いであるがゆえに厄介であり、時として行き過ぎることがあります。
共感力が人一倍強い人は、その共感力の強さゆえに、裏切られたと感じる出来事があると「許せない」という想いも強くなり、容赦ないサンクションをおこないます。
フリーライダーに対するサンクションは、「いじめ」というかたちであらわれることおあります。「規律正しい人のほうが激しいいじめをする」「協調性が高い人ほどいじめに走る」といったおとが起こるのはそのためです。
これを見ていると、真面目な人ほど、規律を守ろうとする人ほど、そこを守るために行動を起こすし、激しいバッシングをすることがあるということか。
規律を守ろうとするからこそ、ここまでのバッシングが起こるのだろうな。。。
ただ、この日本の文化を踏まえて考えてみると、この本を出すというのは結構すごいな。。。