撤退戦の研究 読了
久々に投稿です。
本は読んでたのですが、ほとんどメモを残さず、読み散らかしている状況でした。
この本は、太平洋戦争を見直すことで、リーダーとは何か?と書いてある。撤退戦をできるのは、リーダーの責務であり、リーダーにしかできないと言い切ってます。
太平洋戦争は失敗の連続であったっていうのがベースにあるのだと思う。
開戦しかり、ミッドウェーしかり、ガダルカナルしかりと。。。
そのあと、マネー戦争の話で、二度目の負けだといってますが、それは蛇足な感じがしてます。
小さい失敗は、日本もアメリカもたくさんしてた。その小さい失敗をそのままにしておいたか、すぐ対処したかの違いが結果に結びついていったのではないでしょうか?
歴史を勉強するということは、ここまで深く掘り下げていくことが大切なのかもなぁと思わされたのもあります。ただ、字面を追いかけるのではなく、一つ一つを詳細に見ていくことで、そのときどきの判断・決断を考えていき、どうしたらその結末になったのか?というのを調べていくことが大切なのかと。"IF"なのかもしれませんが、自分だったら、どういう判断・決断をするか?その判断・決断だとどのような結果をもたらすのか?というのも考えていく価値がありそうです。
内容で印象的だったのは、
「アメリカは、同じ失敗を徹底的におこさないように対策をした。かたや、日本は成功体験にとらわれて、二番煎じを行って失敗した。成功の復讐が起こってた。」
という感じの内容です(かなり要約してます)
たしかに、一度成功すると、勝ちパターンといって同じパターンでという風になっていきます。しかし、状況は刻一刻と変わっていく。相手がいるなら、相手も変わっていく。そうなっていくと、一度成功した勝ちパターンが通じなくなるときも出てくる。そのときを見据えて何をしておくべきか?相手が立ち上がってこないくらいに徹底的に叩き潰す。そして、勝ちパターンにこだわらずに、少しづつ変化を加えていく。ここなんだろうなぁと。
決まりきったパターンで仕事をするのは楽だけど、変化を求めていかないと、敗北の2文字が近づいてくる。勝ちパターンは変化というものからの1つの逃げなんじゃないかなぁと思えてきます。
以下、この本の中で気になった内容についての記載です。
・情報を正しく読む心得
- 成功体験を捨てること。
- 情報の読み方を間違えないこと。先入観をもたないこと。
- 判断するときは、2つ以上の違った意見を参考にすること。
- 情報が100パーセント完全に集まることを期待しないこと。60パーセント集まったところで判断すること。
・リーダーシップとは
- リーダーシップとは、人を共通の目的に団結させる能力と意思であり、人に信頼の念を起こさせる人格の力である(モンゴメリー将軍(イギリス))
・会社をつぶす経営者、6つのタイプ
- 目的がはっきりしていない官僚的経営者
- 時代性のない経営者
- 問題を先送りする経営者(一番ダメ)
- 部下の人気取りばかり考えている経営者
- 運の悪い経営者
- いまだに「全員がんばれ」といっている経営者
・リーダー(人を使う人すべてに身に着けるべき器量)の条件(6つ)
- 権威を明らかにすると同時に責任をしっかり取ること
- 組織の目標を明確にするための決断をすること
- 焦点の場に位置せよ
- 情報を自分の耳で確実に聞くこと
- 規格化された理論にすがらないこと。つまり、前に成功したからと、もう一度同じことをやろうとしないこと。
- 部下に最大限の任務遂行を求めること。部下にやらせるなら、「お前がいってこい。お前しかいないんだ」という形でやらせること。
・なぜ日本が太平洋戦争に突入していったのか?
- 日本型タコツボ社会における小集団の弊害。トップマネジメントがなく、世界全体の動きを見渡せる視野がなかった。
- 理性的な判断の目を曇らせる情緒的、ムード的な思考の支配。
- 国際社会における日本の位置づけを客観的に把握していなかったこと
- 現象面での成果を急ぐ短兵急な発想。時間的、空間的な深まりを持つ大局観や複眼的な思考、多面的に考える姿勢がいっさいなかった。
- 自民族の利益のみを追求する国際的エゴイズム。そのことは同時に、国家目標における世界の共感を呼ぶような普遍性を日本に欠如させた。
・エリートには、将来のリーダーとしての決断力が必要。
・判断力や、教養、知識は、勉強すれば身につく。しかし、決断力は経験値がモノをいう。判断力と決断力には雲泥の差がある。決断力は実地で経験をつむしかない。
・変化の時代は、亜流、傍流のほうが全体を見渡し、把握することができる。