ローマ人の物語4 ハンニバル戦記[中]/塩野七生 ~ハンニバルの猛威っぷりがすごい。~
ローマ史上の最大の危機ともいわれるハンニバル。
ラテン語の格言の「ハンニバルが戸口にいる」と子供を躾けるときに使う言葉だそうです。
それくらい、ハンニバルはローマへ恐怖を植え付けたといっても過言ではない存在。
このハンニバルとの戦いは、第二次ポエニ戦争と言われています。
第二次ポエニ戦争の中の、カンナエの戦いは、ハンニバルの包囲殲滅作戦がものの見事にはまりますが、この凄みは相手の半分の戦力でそれを実現したということ。
強力な騎馬隊の機動力、攻撃力を有効活用することで、相手の歩兵隊の強みを消したというのもあります。この戦いは今の教書にも活用されている事例となっているようです。それくらい斬新であり、戦術自体は現在にも適用できるという。
ただ、ハンニバルは、カンナエの戦いのあと、イタリア半島で猛威をふるい続けているのですが、ローマの作戦に徐々に戦略地を取り返されていきます。
理由は、ハンニバル側に有能な将軍クラスがハンニバルしかいなかったから。ハンニバルが行けば勝てる。でも、ハンニバルがいなくなったら、そこをローマがせめて取り返す。結果として、ローマはハンニバルとの戦いを避け、ハンニバルがいないところで戦い勝つという戦略をとることで、じわじわとハンニバルを追い込みます。
といっても、なかなか効果がでにくいので、ある程度の都市は離反や占領されてしまってますが。。。
ハンニバルの戦いの中で、アルキメデスがでてきます。ちょっと前に読んだ「ねじとねじ回し」にでてきたので、ちょっとおおっと思ってついついその活躍ぶりに想像してしまった。。。
最後のところで、スキピオが登場して、5巻へ続く。
ここからスキピオを中心とした反抗が始まる。。。
ローマ人の物語2,3の感想を書く前に4の感想を書いてしまいました。
それほど、ハンニバルの猛威がすごく、さらに、そのあとでてくるスキピオという存在があまりにも強烈だったということです。
ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中) (新潮文庫)
- 作者: 塩野七生
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以下メモ
アレクサンダーについての記述より
天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見ていながら重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである。
リーダーとして成功する男の最重要条件として、彼がかもしだす雰囲気がイタリア語ではセレーノ、強いて日本語に訳せば晴朗にあると書いた。