Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

管仲〈上〉/宮城谷 昌光 ~管鮑の交わりのような関係が気づければ幸せなのかも。。。~

管鮑の交わりで有名な管仲の話。

 

管仲が斉の宰相になる前の話。

むしろ、斉に入る前の話が非常に長い。そっちがメインというか。。。

 

個人的に、管仲の変遷があまりにもかわいそうな気がしてならない。

それに対して、鮑叔が管仲を斉に薦めたりとかいろいろと手立てを立てているのを見ていると、ここまでして助けて一緒に働きたいと思える人がいるかな?と思うことも。

管仲という希代の政治家を見つけてきても、実績のない状況下ですぐ信頼して登用+重用なんて、なかなかありえないこと。現実的にはほぼ不可能じゃないかなと。

 

それを実現した鮑叔のすごみもありますが。。。

そう思うと、すごい組み合わせだなと思います。

 

それにしても、自らの結婚相手を周りが文句を言わないようにした形を作った鮑叔がすごいなと。

筋を通したというところが一番すごい。はたからみたら、用意周到な感もあるんだけど、それをできるというところがすごい。

 

管仲が公子糾に仕えて、鮑叔が公子小白(のちの桓公)に仕えてという流れは残念な感じもしますが、それがなかなか話しに深みを作っているというか。。。

 

含蓄のある言葉を書き出しておこうかなと。

新しいことをおこなう者は、涵畜の時間をもたねばならない。急激な改革はかならず失敗する。

物事を変えていこうと思うなら、助走期間がいるということ。変えようと思って急激に変えても、反発を受けたりしますからね。

徐々に徐々に気づかないところから徐々に。そして、自分が前に立って、実践していく。そういうことなんですかね。。。

 

人が人に関心をもたなくなったら終わりである。人に無関心な者は、おのれにも無関心であり、そこに絶対的な開放があるとおもえば、遁世しなければならない。こだわりのない極致へ去らなければならない。

人に興味を持つのは、当たり前だけど。。。持たなくなったら確かにダメですね。

 

たやすく入手したものは、たやすく失う。

簡単に手に入ったなと思うものは、また手に入るからと思って手放しやすいのかもしれません。

 

人はおのずから落ち着くべきところに落ち着く。

水が上から下に流れるがごとく。。。

 

さて、下巻を楽しみに読もうかと。。。

管仲〈上〉 (文春文庫)

管仲〈上〉 (文春文庫)