捨てられる銀行/橋本 卓典 ~銀行の話はちょっとむずかしい。ただ、大きく変わっていってるのはわかった~
銀行のイメージがガラガラと崩れた本。
いままで、銀行は安定でお固く、庶民に厳しい。晴れているときには傘をもてといってくるのに、雨が降ると傘をひっぺがす。
そんな強気を助け、弱気をくじくという悪役のイメージがありました。
それが、もともとは金融庁の金融検査マニュアルに過剰に対応した姿であったとは思いませんでした。
この検査マニュアルのイメージは、ドラマ半沢直樹ででてきたので、言葉だけはしっていましたが。。。
もともと、これがあったわけではなく、バブル崩壊を機にできたもので、これに順応がするがゆえに、銀行はリスクをとらなくなった。
この金融検査マニュアルが廃止の方向へ向かっているそうな。
こうみていくと、銀行というのは金融庁の想い一つでふらふらと経営環境が変わっていってしまうくらい非常に不安定な状況に置かれているのだなと。むしろ、金融庁次第で護送船団のように守ってもらっていると思った方が正しいのか。。。
安定な状態があるのであれば、よほど優れた経営者がトップに立たない限り、変わっていかないだろうなぁと。
投資目線でいくと、金融庁の動きを見つつ、各銀行の行動をじっくり見るというのが必要ですね。て、普通に企業をよく見るのは当然すべきことだから、そこに外的要因として金融庁をしっかり見る必要があるということですかね。。。
実際、本書の最後に、将来を見据えて危機感を認識し、変革を行い、より顧客に寄り添った判断をできるようにしている事例が書かれています。
また、メインバンクを変更している話を見ていると、妙に納得。顧客が改善案の提案を求めているのに、それをスルーしているのであれば、メインバンクを変えていくしかない。
こういうのを見ていると、リスクを取らないということが機会損失につながっているともいえます。
銀行の営業って、ある意味投資家としての素質を磨かないといけない状況になっていってるんですかねぇ。。。
うーん、いろいろと考えさせられる。。。
それにしても、銀行といっても、都市銀行、地銀、第二地銀、信用金庫と種類が違って、一般人には何がなんやらわからないわけですし。ちょっと調べてみたが、どう違うかさくっとわからない。。。
ここいらもどこかでわかりやすく知りたいものです。