真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学/中野 剛志 ~言うは易く行うは難し~
企業論について、ふと気になり読んでみました。
GoogleやFacebookといった企業が、どんどん新しいことをしているのに対して、なかなか新しいことができない企業もある。
そこに対して、そういう企業はダメだという風潮があるのも現状かなと。
ただ、純粋に考えてみると、同じ人間なのだから、思いつくのは同じだろうなと思ってます。ただ現状を変えたくないという心理的ファクターが入ってきたりするので、なかなか最初の一歩を踏み出せないというのが原因なのかなと。
なので、トップ自らが本当に変わろう、変えようとしているのであれば、その力を借りていけばいろいろと新しいこともきっとできるんだろうなとも思ってます。
本書の中に、大企業がイノベーションを起こしやすい環境は次の4つの好条件がある。
- 大規模な企業組織は、企業のトップに強大な権限が与えられているため、イノベーションの推進者は企業のトップの同意さえ得られれば、必要な資源を組織内部から得ることが可能です。
- 伝統ある企業組織は、たいてい、単純な営利目的を超えた組織固有の価値観をおもっており、これがイノベーションを正当化する理由になります。
- 大企業では、組織メンバーがいつも一緒に働いているので、イノベーションの推進者がもつイノベーションの理由に関する情報、知識あるいは信念といったものを共有したり、共感したりすることが容易な環境にあります。
- 大企業が事業に多角化している場合には、組織内部の価値観も多様化しているので、イノベーションの推進者は、イノベーションを正当化する理由を見つけ出しやすくなります。
1のトップの合意というのが一番難しいんですけどね。
トップにたどり着く前にどれだけ人を通過するのだろうと思うだけで、ぞっとします。こういう承認系すらもシンプルにしていかないと無理だろうなと思いますけどね。
小さい企業だと、フットワークが軽くなるのでしょうが、ただ資金力をはじめ会社自体のリソースが乏しい。そう考えると、大企業のほうが一度承認を得ればスムーズに進みやすいということかなと。
あと、一度社内で通らなかったものは、社外とつるんでやっても失敗しやすいそうです。そうならないために重要なのは、次のこと。
重要なのは、イノベーションのための資源動員を正当化する理由を示し、それをできるだけ多くの人々に、できるだけ強く支持してもらうことだからです
結局、魅力的なことをしていかないと無理ということなのかも。
あとは人材登用について。
どうやれば、人材の優劣を見抜くことができるのでしょうか。徂徠の答えは、人材を評価するには、実際に使ってみることだというものです。しかも、ただ使うのではなく、あれこれ指示をせずに、好きなようにやらせてみるのがよいというのです。
まずは試してみるか。なかなか勇気がいるところなんでしょうけど。。。
ただ、自由に動かすというのは上司側からしたらハラハラドキドキものになりそうで。どこまでを任せてというのがなかなか難しいよなと思います。
ざっくりメモを書き出してみましたが、人材の使い方というのは非常に難しいですねぇ。。。
真説・企業論 ビジネススクールが教えない経営学 (講談社現代新書)
- 作者: 中野剛志
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/05/26
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