撤退戦の研究/半藤一利,江坂彰 ~成功の復讐か。。。~
過去を振り返って反省すべきは反省するべきとよく言われますが、なかなか難しい。
ただ、一度成功をしていても、気づけば斜陽になっている会社もあれば、成功を繰り返している会社もある。
その違いがなんだろうか?と思うところも。
ただ、多くの失敗事例が世の中にあるのを考えると、そこから学んでいくことが結構大事かなと。
この本では過去の事例、特に近代日本が経験した戦争をもとに書いてあります。特に、第一次世界大戦と第二次世界大戦の二つからが多いです。
成功の復讐というのを考えると、非常に恐ろしい。成功体験に縛られるというのが非常に怖い。
成功したければ、過去の成功体験を捨てることです。成功体験を捨て、新しい時代に適応するシステムと人材の登用を真剣に考えることです。
このときに新しいことをしていくのには、リーダーの役割が必要。とりあえず、新しいことをやれとか抽象的に指示を出すのではなく、具体的に指示を出すことが大事。
何かを要求するとき、リーダーははっきりした目標を示す必要があります。それがなければ、下の人間は動きようがない。零戦のような悪改良をやってしまうかもしれない。
あとは、やったことをおきたことをきちんと受け入れて、その原因を解明し、対策を徹底的にすることが大事。
やるなら徹底的にやるくらいの気持ちが必要。失敗を特定して対策をしないというのはやらなかったのと同じことか。。。
失敗は失敗として反省し、徹底的に失敗を追求して弱点を補った企業が勝ちます。失敗を追求してそのままにしておくことは、企業ばかりでなく、本人のためにもならない。
あと、人材を採用するとなると、逸材を欲しがりますが、それは意外と近所にいるのかもしれない。傍流、メインストリームにいない人物にまで情報を集めていく。そのくらいのことをしてようやく人材抜擢になっていく。
エリート選抜でもう一つ言えば、”大逸材は傍流にあり”を忘れないことです。逸材がかならず傍流にいるとはかぎりませんが、大逸材が傍流にいることはままあります。
こう見ると、歴史から学ぶというのは簡単なようで、理念は理解できるけど、それを実施するのは難しいかなと。。。
難しいからこそ、歴史を学ぶ価値があるんだろうな。失敗したときの影響度を知ることができるわけですから。