Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

容疑者Xの献身 読了

ガリレオシリーズの読み散らかしてたものの読後感想。

だいぶネタばれですが、でてから時間たつし、映画にもなったので、思いがつくままに記載してます。

 

話がかわいそうすぎる。

これを読んで思ったのは、自分の愛する人を守るために、どこまでやれるのか?を問いている話だと思う。

しかも、自分の身を守るためにその人が犯罪(殺人)を犯したとしたら。。。不幸な話だと思うし、緻密に作り上げられている話だと思う。

 

湯川の同級生(石神)は、数学オタクの天災。その石神が愛した女性が犯した罪を自分がかぶるために、罪を犯してしまう。そして、そのトリックは、まるで、捜査する人々を操っているかのごとくにミスリードするように仕向けていくやり方はすごいとしかいいようがない。

さらに、その犯罪を完璧なものとし、愛した女性を守りきるのに、自分が自首することでそのアリバイが鉄壁になるというのも。。。

 

ただ、悲しいかな、人の心というのは読めない。愛した女性がドライにすべて対応してくれていれば、女性はそのまま逃げ切れたかもしれない。

でも、自分のために思って行動してくれた人を助けるために、女性の行動によって崩されてしまう。

自白によって。

その隠れた想いをすべて解き明かしたのが湯川。これは解いてよかったのか。それとも、解かなかったほうがよかったのか。葛藤があったんだと思う。

ただ、この話の最後はよかったと思う。石神は救われる気がする。湯川の行動が石神を救ったんだと思いたい。
 

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)