天地明察 下巻 読了
天地明察の上巻が面白かったので、引き続き下巻へ突入。一気に読み終わりました。
いいですねぇ。面白い。
暦の話で一度失敗をしているのですが、その原因を突き詰めていくのがいい。それ自体びっくりですから。
地球は丸い。そして、一度適用しようとした授時暦が、つくられたのが中国であり、中国の状況には適用できるが、日本では経度ずれでうまく適用できないという事実。ここらは非常に面白い。要は、不明なところに対して、あらゆる手立てを使って仮説を立てて検証を重ねていったわけですから。
一度失敗してしまうと、不安に襲われ、なかなか次のステップには進めないものですが、それ自体を乗り越えていくあたり強い人だなぁと思います。
最期に、新しい貞亨暦を作って、適用していく際の行動が印象的です。なんとしても、という想いで、最善の手をうっていく。それが自分が表に出ず、別の方の手柄になる可能性があるのも承知の上で。
当時の暦道の最高責任者を説き伏せた上で、新しい暦をスタンダードにしていく。そのプロセスが。。。目的のためには、手段を選ばない。そういう風に読めてしまい、ああ、これくらいの覚悟がないと、やりたいことをやり遂げるというのは難しいことなんだなと思わされました。
最期に、最近フェルマーの最終定理を読んでて思ったのは、数学と物理というのは本当に近接につながっているんだなぁと思います。数学のテクニックを学び、熟練していったからこそ、改暦という物理学へつなげていくことになりましたし。
ここいらで気付かれた技術というのがベースとなり、伊能忠敬の偉業につながっていったというのかもしれないと思うと、歴史の面白さに気付かされます。
伊能忠敬の本とかあれば、じっくり読んでみたいかなぁ。。。

- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/05/18
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