ナイチンゲールの沈黙 上/海堂尊 ~やっぱり面白い。医療の闇というよりも、今回はサスペンス的~
今年の4月に読んだチームバチスタの栄光が面白かったので、続編ともいえる本作を読んでみました。
上巻だけしか読んでないので、どうかと話をするのを悩ましいところです。下巻まで読んでからの感想を書くのがいいのかもと。
ちょっとSF的になっている感じもしてしまいます。でも、面白いのも事実。早く下巻を読まないこと。
個人的に気になるのは、白鳥がでてこないこと。ちょっと寂しい。
出て来たら、出てきたでひっかきまわしまくりそうですが。。。こういう面白いネタにおとなしくしていることはないので、おそらく出てくるんでしょうが、いまだ姿形が見えてこない。どう絡んでくるのかもわからないというところ。
白鳥がいないのを補完してるのが、白鳥に近いキャラである加納がいることですかね。
加納自体は、DMA(デジタル・ムービー・アナリシス)が提案して推進側にたっている。DMAとは、現場の情報をすべてデジタル化して、解析して、現場の状況を再現する。そうすることで、犯人の特徴やどこで何がおこったのかを想定することができる。この仕組みって面白いなと思います。
これに近いことをするために、シミュレーション技術は進歩していっているわけですから。ただ、PCへかける負担はとんでもなく大きそうな感じがします。あまりにも多くの対象物があると、そもそも解析できるのか?という不安すらでてきますし。。。
それに、現実的の情報が抜け落ちてたり、改竄されていたら間違ったミスリードされるわけですし。。。
非常に扱いどころが難しい技術ですかね。
むしろ、解析結果をもとに実証実験をして、その妥当性の検証をしてしまうということになりそうです。
意外と、こういうところのほうがシミュレーション技術のニーズが高いのかもしれませんね。リバースエンジニアリングというか。。。
それにしても、前作にでてきたAi(オートプシー・イメージング)に加え、DMAですか。なんか理解不能な世界な気がします。ただ、それができたら物事変わるだろうなとも思います。
それにしても、高階病院長の手腕はうまいなと。
撤退しても釘は刺しておく、か。田口は心の中の学習帳にメモをする。
田口は最近、高階病院長の抜け目の無さを盗み取るようにしていた。それが、会議の運営に何と役立つことか。田口は、高階病院長の図々しさ、もとい、したたかな柔軟性の有用性を日々、思い知らされていた。それは言うなれば、魑魅魍魎対応マニュアルとでも名付けるべき、先達の叡智だ。
自分も世渡りのうまい人や運営のうまい人の状況を観察して、取り入れれるものは取り入れたほうがいいんでしょうね。反発するよりもうまく乗り切っている手腕を学んだほうがよさそうですし。
下巻でどう話が進んでいくか。プロローグの話がいったいどこの話なのか、これが非常に気になります。まぁ、タイミングも読めてきてますが。。。妙に気になる書き方もあるわけですし。
ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2008/09/03
- メディア: 文庫
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