イノセント・ゲリラの祝祭 (上)/海堂 尊 ~会議主体だと、ちょっと面白みがすくないかな。。。~
田口・白鳥シリーズの4作目。
今回も読ませてくれます。ただ、いままでのような事件の解決に奔走するのではなく、会議が主体なので、感想を書くのが難しい。
ただ、法医学についての闇をばっさり切っているところが非常に怖い。解剖が2%か。。。あまりにも、数字が低すぎるかなと。
精度をあげるうんぬんよりも、もう少し解剖率をあげたほうがいいのでは?とも思えてきます。むしろ、いまやビックデータだのAIだのいわれている世の中だから、白鳥の主張するCTでの検査をいれてしまって、そのあと解剖するかどうか決めちゃえばいいのにとも。
それにしても、会議の部分をみていると、どうも既視感を覚えてしまいます。今起こっていることに対して、目を背け、いかに既得権益を守るのか?ということに汲々としている。そんな感じが非常にしてならない。
結局、組織が変わっていこうとする意識があったとしても、その組織の首脳陣がそれに反対すれば、変わることはない。
そういう感じがしてしまいます。
そして、手柄を奪いあうための暗闘とかね。。。
ミスター厚生労働省・八神と白鳥のやりとりとか、もうね。どうして、新しいことに対して反対するんだろうかなと。おそらく別の見方をしないといけないのかな?既存のことに対して、ある程度の利権をもっている方々は、それを死守するために、抵抗勢力となってでてくる。ただ、その方々が学会の重鎮だったりするわけで。。。
あと、
その中で気になるのが、彦根の存在。
どうもいろいろと、いわくつきのような感じで、どういう爆弾を投下していき、話を引っ掻き回すのか?というのが興味があります。
むしろ、引っ掻き回してくれないと、読むのがたるくなってしまいそうですが、そういうことはないと思ってます。
最後に、メタボの記述を見て、少しイラっと。
「メタボ」が素晴らしいのは、本当に国民の健康増進に有効かどうか明らかになるまで十年以上かかる点だ。結果が出る頃には俺たちは、どこぞに天下り悠々自適で高見の見物。俺たちの仕事はその繰り返し、自分たちの目先の食い扶持の確保に心血をそそぐだけさ
news.livedoor.comこういう記事もたくさんでてますしね。
うーん、闇深いなぁ。。。
さて、下巻を楽しみにしつつ、読み進めていこうかな。
イノセント・ゲリラの祝祭 (上) (宝島社文庫 C か 1-7)
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2010/01/08
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