Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

マグネシウム文明論/矢部孝 ~なるほどなぁ。。。と一瞬引き込まれた。。。~

マグネシウム文明論と大層なタイトルがついていますが、読み進めていくと、マグネシウムが次世代の電池(空気電池)になるという話です。

 

今使われているリチウム電池は量が限られており、これからの電池社会に進めば進むほど高騰が想定されている。だからこそ、高効率なモータといった限られたエネルギーを効率よく使えるものが必要となる。

それに対して、マグネシウムは、海水に含まれており非常に多く存在する。生成し取り出すのに、現状はコストがかかってしまうのが欠点。ただ、ピュアなマグネシウムを安価に作ることができれば、その酸化時のエネルギーを取り出すことで、高効率なエネルギーとなる。

 

この低コストにマグネシウムを生成するのにキモとなるのが、太陽光を使ったレーザ技術。レーザを使うことで、従来なら化学反応でしかできなかったことが、高効率に反応させることができる。

さらに、海水からマグネシウムを取り出す際には、海水を淡水化するというメリットもある。海水を淡水化できれば、これから起こる可能性のある水不足の問題も解決できる。

しかも、太陽光を使うということで、エネルギー源としては無尽蔵。正確には限りはありますが、自分たちが生きていくうえでは無尽蔵といってもいい。

 

太陽光をレーザにしてしまうのに、使う技術が核融合のために開発されていたレーザ。核融合は、その反応を起こす際に、膨大な温度にあげる必要がある。そのためのレーザを使うことで、このマグネシウムを使うという技術が成立する。

 

まだまだ課題はありそうですが、面白いことを考えるものだなというのが素直な感想。

レーザを作る際に、冷却技術が必要となりますが、それについては臭化リチウムを使ったサイクルを使うことで実現とか、いろいろと考えている感はあります。

 

このシステムは、非常に高価な感じがします。。。本書の中で、1基で50万とかいってますから、もっとコストダウンしないと難しいのでは?

あと、造ったら終わりではなく、メンテナンスやいつ更新するかなど、ランニングコスト面が無料とと書いていますが、それは嘘だなと。

実際には非常にコストがかかるかと思います。多大なエネルギーがかかるのであれば、装置側の耐久性がどれくらいあるのか?また、冷却システムがどのくらいのメンテナンスを見込まないといけないのか?などなど、いろいろとハードルが高いなというのが素直な感想。

 

とはいえ、こういう技術課題を1つずつ乗り越えていくのが、科学者であり、技術者という生き物なんだなと思うと、いつかはこういう新しい技術がでてくるんだろうな。。。と思わされました。

 

まぁ、その前にマグネシウムの価格が下がったら、アルミニウム⇒マグネシウムという流れが生まれそうだけどなぁ。。。

マグネシウム非常に軽いし。。。

 

マグネシウム文明論 石油に代わる新エネルギー資源 (PHP新書)

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