「おじぎ」の日本文化/神崎 宣武 ~おじぎっておくが深い。。。~
普段気にせずにしている「おじぎ」。
目上の方に対してや、お世話になっている方に対しても、さも当然のようにしています。それが礼儀というかマナーのような感じで。
海外の方から見ると、それがペコペコしているように見えるのかもしれません。
この「おじぎ」がいつごろから始まったのか?というのを調べ、まとめあげた本。
もともとは、司馬遼太郎さんの著者への次のアドバイスから始まった。
日本人ほど<おじぎ>をする民族はいまい。首相でさえも、握手をしながらペコペコとおじぎをしている。とくに、座礼は、他に類がないのではないか
このアドバイスから始まった「おじぎ」への探求。
おじぎの歴史を見ていると、江戸時代くらいからおじぎがはじまり、明治時代には教育として庶民にまで広がっていった。
その名残が今にいたっているような感じです。
今のおじぎというのが、そんなに長い歴史があるわけではないのか。。。たかが150年の歴史で日本人の所作と思われるまでになったというのを考えると、教育というものの影響力の強さを考えずにはいられません。それにしても、明治時代の中央集権化というのは、いい意味でも悪い意味でも日本という国家に大きな影響を与えているのだなと思わずにはいられない。
それに、謝罪とかでもでてくるおじぎ。その仕方ひとつでイメージが異なってくるようなので、きれいな「おじぎ」ができる人になりたいものだなと思います。
おじぎについて、いろいろと諸説あるようで、会社によってはおじぎをなくしたりしているようですが、著者は最後にこの言葉を書いてあります。
握手も大事。おじぎも大事。そこでの誠意であり敬意なのではないか。握手かおじぎかの二者択一をせまる必然は、さらさらないのである。日本文化への理解と誇りは、現代の私たちにこそ求められることではあるまいか。
たかが、おじぎ。されど、おじぎなのである。
そのところで、しなやなか日本人でありたい、と私は思うのである。
普段から気にしないとできることではない。
それにしても、普段の所作というものがいかにしみついてきたものなのか。。。と思ってしまった本です。何気ないところにいろいろと染み出てきてしまうんですねぇ。