未来に先回りする思考法/佐藤航陽 〜考え方なのかも〜
昨今の著しい技術革新の中で、いろいろと次に何が来るのか?というのを考えたりしています。
もともと新しい物好きなので、興味があったのですが、株式投資をするようになって、ますますというところでしょうか。
本書の中で興味深かったのが、 AIとベテラン営業マンとの売上の戦いについて。
最初はベテラン営業マンが過去の知見から優位にたつが徐々にAIが追い付き追い越していく。
ただ、その優位もあるところで終わってしまう。
なぜかというと、AIが効率を重視し、さらにはどんどんと成果を出していくので、市場に残っているパイがなくなっていく。そうなると、売上は止まってしまう。
一方、ベテラン営業マンは苦悩しながらも、今までの想定していた市場から足を伸ばして、新しい市場を開拓していき、売上を伸ばしていく。
つまり、AIは、限られた範囲では有効な手だてを打ち続け、イナゴの大群のように根こそぎにしてしまう。
もともと、AIは機械学習で最適な売り方、ターゲットというのを見極めているので、そういうことが可能となる。
この話を見て、人間がAIに追い抜かれるというのは、ある意味本当でもあり、嘘でもあるなと。
限られた範囲では、AIが有利になるのかもしれない。現状の商売を最適化していこうとするならなおさらでしょう。
ただ、新しいことに踏み込んだ場合どうなるか?おそらく人間のほうが新しいものを見いだす力が強いのでは?
そういうふうに考えていくと、筆者のいっている通りAIは道具なんだなと。
自動車や、電車のように、有効なものなんだなとも。
こう考えていくと、20%の人が稼ぎの80%稼ぐ話とか、蟻の80%は働いて、残り20%は遊んでいる話しとかはなるほどなとも。
それと、業務時間の一定割合を好きなことに使っていいとしているGoogleの20%ルールや、3Mの15%ルールもなるほどと思えてきます。
好きにしていいからこそ、新しいことにチャレンジしたり、いまの仕事を劇的に変えるような取り組みもできる。
実際にその活動の中ででてきた商品も多々あるようですし。
最適化を目指すと、その商品の市場を食べ終わったらおしまい。そこから一歩外に踏み出せるか?という点では、遊びがあるというのは大事なことなのかもしれません。
ちょっとAIにたいする不安感が払拭された気がします。
ただ、こういうことを知っているか知らないかでは大違いですから。
こういう本はちょくちょく読んでみて、考えを巡らした方がいいのかもしれません。