重耳(下) /宮城谷 昌光 ~あっという間に読んでしまった。~
重耳の旅の最後。
晋を出てから19年。ようやく晋へ帰りつく。その間に、いろいろと苦しみを味わいつつも、人として成長し、大きな人物となっていった重耳。
その中の描写の中で、自分が仮に夷吾より先に帰っていたのならば、自分が夷吾のようになっていただろうというのを見ると、自分を冷静に見つめるということが大切なのかなと。
そして、酒に酔わされて、斉から連れ出されたあと、暴れていても、そのあと冷静に現状を受け入れて、次の目的地へ、そして最終目的地へと進んでいくのを見ると、なかなかできることではない。
その姿を見ていると、何かつらいことがあっても、逃げてはいけないなということ。そして、自分の言う言葉には信を通すこと。
この2つって、なかなかできることではない。だって、自分が可愛いですから。どうしても、自分を甘く、かつ楽なほうへ突き進みがちになってしまう。
そういうのを考えると、この重耳という人はとてつもない人だなと。
重耳は、旅をしたからこそ、覇者となりえた。そう思うと、現状に不満があったとしても、それを受け入れつつ、自分の目的地を見失わないようにあがくということが大事なのかもしれません。
たとえ、重耳が衛で受けた仕打ちのようなものを、自分が受けたとしても、それを受け入れて、そしてそのまま前へ進む。もちろん、その復讐を果たすときは、きちんと道理を付けて復讐を。。。
ちょっと、いろいろと重耳の生き方を見ていると、いろいろと考えさせられるとともに、もうちょっと仕事や普段の生活でいろいろとあがいてみてもいいのかもしれないかなと。
自分は、おそらく重耳のようにはなれないかもしれないけども、それを支えた人たちのようにならなれるのかなとも。
そういえば、宮城谷先生の介子推への愛情をまじまじと感じる下巻でした。介子推だけで小説書くだけだわとも。
さて、次は何を読もうかなぁ。