沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ四/夢枕 獏 ~もっと早く気づいておけばよかった。。。~
本書でラスト。
気づけば、あっという間に読み終わり。
ページ数多かったのに、一気に読み終わった感じがあります。そのくらい面白かったということかなと。
空海の提案した宴で、一転二転していくというのが面白い。
丹龍と白龍がそろって、すべて解決かと思いきや、まさかまさかの展開。
この展開は読んでて面白かったですね。え?誰?という感じでいろいろと考えさせられました。
種明かしされると、なるほどなと思うとともに、その伏線回収かい。と突っ込んでしまいました。
それにしても、黄鶴の恨みというのがとんでもなく根深いのが見えてきて面白かったし、人の恨みって買うもんじゃないなと。
ただ、この一件に首をどっぷりとつっこんだことで、空海の名声は跳ね上がって一気に、物事が進んでいく。
びっくりするくらいスムーズに。
そりゃ、密を盗みに来たといってもいいくらいだったのに、喜んで与えられるくらいの勢い。こりゃ、すごいわと。
それもこれも、この一件のおかげというのがなんとも。
それにしても、橘逸勢の帰りの手紙というのが、なんとも。
どちらかというと、優秀な空海のサポート役というのと、空海がさくっと役目終えたから帰るというのを聞いて、さみしくなるからと帰ろうとするのもいい。
その手紙の内容がちょっとかわいそうというか。。。
ただ、橘逸勢って、嵯峨天皇、空海とあわせて三筆の一人というのを考えると、そこまでどんくさいわけでもなくて、非常に優秀な人だと思うんですけどね。
となりにいたのが、空海という超人だから仕方がないのかもしれないかなと。。。
最後に、空海って、唐にいき、さらに、密を習得するのに必要な資金をどこで用意したんだろうな。そこいらが解明されたらいいのにな。。。
いや、わからないからこそ、神秘的なのかもしれないのかもなぁ。。。