統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?/門倉 貴史 ~世の中を数字で表すのは難しい。。。~
経済効果、交通事故の死亡者数などの報道ででてくる統計的な数字について、そのまま受け入れてしまいがちです。
ただ、仕事をしていると、統計学的な考えを使うことが多々。
それを踏まえて思うと、でてくる数字はどういう設定の下にでてきた数字なのか?というのを考えるように。
この本を読んでて、その感覚で正しいのだなと。
面白いと思ったのが次のこと。
1.国の貿易収支については、全世界の貿易収支を足すと、±0にならずに、マイナス側にふれる。
理由:金利等の儲けは報告していないのではないか?借金等マイナスについては、きちんと報告。
これって、タスクヘブンのときの論理に近い。
2.交通事故の死亡者数は、事故後24時間以内に亡くなった方をカウントしたもの。24時間を超えたのち亡くなった方はカウントされない。
というのを考えると、実際は交通事故でなくなっている方は多いということなのかな。
3.経済効果は負の側面を見ておくこと。
チームが優勝したということでの経済効果は、海外からの方が増えるのであれば、効果があがるのだけれども、基本国の中の話なので、そんなに変わらない。優勝したチームのファンは、財布の紐を緩めるかもしれないけど、負けたチームのファンは逆に財布のひもを締めることがある。
現に、古い例だけれども、愛・地球博のあったとき、東京ディズニーランドは来場者が減り、儲けが減ったらしい。
そういうのを考えると、全体でどうなのか?というのを見ていかないといけない。
経済効果を試算するなら、ある特定の範囲でどういう条件かを明確にする必要がある。
まぁ、各国の経済指標や成長率も同様に見ていかないといけないということ。
怪しいところも多いですからね。
あと、GDPには地下経済はカウントされていないので、GDPも正しいというわけではない。
世の中を数字で表すというのはなかなか難しいものなんですねぇ。