Otra célula del cerebro

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「格付け」市場を読む/岩崎 博充 ~格付け会社の収益をあげる方法って面白いな。~

「格付け」ってちょくちょくニュースで見ますが、どういう風に決めているのか?というのがよくわかっていない。

そもそも格付け会社って、どうやって収益をあげているのか?格付けの根拠ってとか。疑問は多い。

 

まず、格付け会社の収益を上げる方法。

格付け会社の収入源は大きく分けると二種類ある。ひとつは、債券や証券化商品などの発行体(企業)から依頼されて格付けを行い、収入を得る方法。もうひとつは、投資家サイドから情報提供料、もしくはコンサルティング料などの名目で収入を得る方法だ。

あとは、勝手に公開情報から格付けするのと、資料提供を受けて依頼で格付けする方法の2種類あり。資料提供を受ける場合は、資金提供を受ける。そう思うと、依頼で格付けする場合は、あまくつけて、勝手に格付けする場合は辛くつけるという足元を見た手法が蔓延しそうで。。。

 

もともと格付け会社の格付けの意味を高めるには、独立性を担保する必要がある。そのためには、独立性を保つためにも独自に収益をあげる必要があるから、コンサルとか必要になるんですねぇ。。。

でも、資金をもらっているところがあると、情報を湾曲しがちになってしまいそう。。。こういうのって難しいですね。

 

本書の中で、格付け会社アジア通貨危機の引き金を引いたとの指摘あり。

  1. 結果的に格付けがヘッジ・ファンドに利用され、通貨投機の材料にされてしまったこと。
  2. 金融危機の連鎖の原因のひとつになってしまったこと。
  3. 短期間にソブリンのような影響力の大きい格付けを急激に下げたこと。
  4. 結果的に正確な格付けをタイムリーに行うことができなかったにもかかわらず、何ひとつ責任をとっていないこと。

最後の項目が重たいかなと。

格付けしたらしっぱなしというのを考えると、ある意味都合のいいようにやって逃げれるといういいポジションになりますし。後出しじゃんけんもできる。

そう思うと、恐ろしい。

 

ただ、格付け会社は、国債社債やを発行したりするときの利率に影響を与えますから、しっかりとその意義があるんでしょうが。。。

知らず知らずに投資をする際に、格付け会社の情報を入手していますし、参考にすることも多いですから。 

「格付け」市場を読む?いったい誰がトクをするのか? (光文社新書)

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