江戸時代のお殿様の隠居後のこと。
全然聞いたことがないと思って、読んでみました。
読んでみて、つくづく殿様の仕事って、ほぼほぼサラリーマンと変わらんですね。むしろ、見えないガラスの壁というかなんというか、そういうものがあり、幕府の役職を手に入れたいと頑張っても、なかなかというかもらえない。
ただ、歴史的にはそちらのほうがよかったりもする。そんな感じを受けました。日々のことを記録していくことで、それが今日当時の生活を垣間見ることができるわけですから。
ただ、造園だの、歴史編纂だのとやってるのを見てると、藩の財政をかなり圧迫してるんだなぁとも。造園は、どちらかというと社交場も兼ねてるからいいものの、歴史編纂はね。特に水戸藩のは大変だわと思います。結局それが幕末の倒幕の機運をはぐくむわけですし。
あとは、薩摩藩の流れを見ていると、面白いですね。薩摩藩があまりにも金欠だったけども、そこから琉球貿易の権益を得て、うまく密貿易的に実施することで、幕末は雄藩に踊りでる。
その流れを見ていると、歴史ってその場その場を見るのではなく、少し俯瞰的に物事を見て、特に経緯を50年くらいか、いや100年か、それくらいさかのぼって原因を突き詰めていく必要があるのだなと。
結局、困窮したがゆえに、そこから藩政改革が進み、そこからとかね。。。そう思うと面白い。
あとは、松平定信の人生を知るとちょっと考えさせられます。寛政の改革を始めた当初は期待されていたのに、周りの声を聴かなくなると、更迭されてしまって。。。ただ、松平定信と交友があったのが、水野忠邦というのも考えると、なかなか面白いですね。こういうところで歴史ってつながってるのかと。