世界史を変えた薬 読了
薬の世界について、いろいろと興味があったので購入。
読んでみて、薬というものが歴史を変えるだけの力があり、その登場のタイミングが違えば、もっと違う世界がまっていたというのがわかり、興味深かったです。
ペニシリンの発見は、アオカビがたまたまシャーレの中に入って。。。という話が有名です。ただ、失敗と思って捨てるか?、興味をもって調べるか?で歴史が変わったわけですから。ただ、この話には前段階で話があって、鼻水を間違えてシャーレに飛ばして、その分解効果があるというのを確認したことがあったようです。ただ、再現性が乏しかったので、没になったみたいですが。。。
これは、一度経験してたから、大発見を見逃さなかったのかな?と思えてきます。やはり、新しいことをやったり、チャレンジしたことと言うのは無駄にならないんだなぁと。あきらめたりして、やらなくなったら、そこで終わりなんだと思わされます。(安西先生みたいだなぁ)
ビタミンCは、大航海時代の壊血病の対策になったわけですし。。。もし、これがわかってれば、多くの人を救えただろうし。。。より世界が近くなっていたんだろうと思います。
キニーネはマラリアの薬となっていますが、キニーネの人工合成品は、本家のキニーネと異なり、徐々に性能が劣化していく。やはり、まだわかっていないところがたくさんあるんだなぁと。トニックウォーターには、キニーネが混ぜられていて、マラリヤ対策になっていたそうな。日本では、キニーネは劇物指定されているので、トニックウォーターの中には入れられてないそうです。
そして、麻酔薬、モルヒネ。現代でも手術とかで使用される重要な薬となりますが。。。なぜ、効果があるのか?そこがまだわかってないようです。麻酔薬は、人間の意識に直接触れているので、新たな麻酔薬の開発は、人間というか生命の神秘の解明につながるヒントを導き出してくれるのかもしれません。
エイズの薬も、あるんですねぇ。エイズは薬を飲み続けることで、死ぬことのない病気になっていったというのもね。。。ただ、根治できるような薬がでてくるといいのになぁと思います。
あとがきのところを読むと、これから求められる薬というのがおぼろげながら見えてくる気がします。
まだ薬のないアルツハイマーや、治療の難しいリウマチやクローン病、潰瘍性大腸炎とか。。。こう見ると、免疫疾患というところがキーワードとなるのでしょうかね。
それと、疼痛薬や麻酔薬。やはり、痛みを嫌う人間としては、治療しながら、痛みを紛らわしながらでも、人として生きていくためにも。。。
これからの世の中のことを考えると、新薬というのは非常に高いハードルを越えてでてくるわけですが、少しでも早くいろんな病気を治す薬がでてくればと思います。