湖底の城 7巻/宮城谷昌光 ~人間模様が面白い。でも、いきなり立場変更の主人公がでてくると面食らう~
前回6巻にコメントを記載して、早1年。
読んでいて、面白いですね。人間模様が面白いですが、それ以上に歴史が動いているさまを描かれているのをみると面白い。
それ以上に、いい言葉に多数出会えるのがいいかなと。
伍子胥の好敵手である范蠡が登場。
ここから臥薪嘗胆の言葉の話と、范蠡が去るところないし、范蠡の伝説まで描いて終わりなのかな?
本巻で呉越の戦いの中で、越の乾坤一滴の攻撃で闔閭がなくなり、夫差が喪に服す。西施の登場も含めてキーパーソンが続々とでてくる貴重な巻となっています。
入念な準備をしていた越に対して、数に任せていい加減な準備で戦いに臨んだ呉。この戦いで貴重な人材もなくなってしまいますし。ここからどう巻き返していくのか?
それと、最初のころにでてきた盾。范蠡の話にもでてきます。ここいらがどうつながっていくのか?そこいらも気になるところです。
意外と、仕組みを動かすタイミングで犯人を特定するのでは?とすら思えてきてます。
呉越の戦いを見ていると、情報収集も含め事前の準備が重要なことであるなと思えます。相手の戦い方から学ぶのと、先人から学ばないもの、その差が露骨にでてきてしまい、兵力差すら覆してしまう。
そういうのを見ると、いかに事前準備が大事か。でたところ勝負でいくのも格好いいけど、それじゃダメなんだろうなと。徹底的に準備しておいてから、すべてを捨てて出たところ勝負をする。それなら、あらゆるパターンを想定した中だから、冷静に相手の出方に対応できるのだろうなと。
なかなか難しい。。。
范蠡の鮮やかな生き方を見ていると、うらやましいと思いつつも、どこか伍子胥のような激情家のほうが生きてて生き生きと生きられるのでは?と思えてしまいます。
范蠡に関しては欲がないのか、それとも欲望が大きすぎるのか。そこいらが気になります。
8巻がどういう話になるのか、気になります。呉の復讐戦が始まり、傾国の美女西施の活躍が始まるといったところでしょうかね。。。
あー、はやく8巻がよみたい。
以下、いいなと思った言葉
わざわいを転じて福となす人が、ほんとうの大人なのです
自由であることはさびしい。その強烈なさびしさに耐えたがゆえに真の自由を得られるともいえる。
欲するためには、備えよ。
ひとつやふたつの改革では、万全の備えを実現できぬ。
われはすすむことに人の美しさがあると信じてきたが、なんじは退くことにその美しさをみている。なんじを理解できる人は寡なかろう
とにかく、人を知るには、人に会うのが一番だ。
勝つ、ということは、勝ちつづける、ということだ。