池上さんの東工大講義の本3冊。これで最後です。
刊行されたのはこの本が一番最初。読み終わっての感想は、最初にこの本を読んだ方がよかったということです。そのあとは、残り2冊はどちらを読んでもいいかと思います。個人的には、日本編のよりも国際編のほうは読んだ方がいいかと思います。
なぜこの本を最初に読んだ方がいいのか?
経済学や世界経済、社会革命、科学と国家といった多様な内容が書かれています。
この本を読んでて、思うことが1つ。
専門家として仕事をしていくことが大切だけれども、それに加えて世間を知る、平衡感覚を身に付けるというのも大切。
狭い専門分野に限定された知識の限界を感じます。学者も研究者も技術者も、社会と無縁では生きられません。
自分の読書も、どちらかというと、理系的な内容、歴史、ミステリーといった感じの知的好奇心を満たすためのものが多いです。平衡感覚が乏しいのかもしれません。可能な限り、平衡感覚を磨いていかないといけないでしょうねぇ。
そして、この本の冒頭のところで、大学で学ぶ意味について記載されています。
「教えられるのではなく、自分が学ぶ」ことだと思います。
あなたたちは、高校まで、「正しいこと」を教えられてきたはずです。これから大学では、「正しいこと」を自分で見つけていくことが求められるのです。
高校までの学習過程には、学会の多数派が「正しい」と認めた内容が盛り込まれています。学会で定説になっていない理論や学説は入っていないのです。
大学以降は、基本正解のない中でやっていく。むしろ、覚悟を決めて取り組んで、その結果でどうだったか?正解か?、失敗か?のジャッジをする。
世間が正しいという道が実は間違っている場合もある。定説がひっくり返ることもある。その中で自分の価値観を信じるだけの知識や思考を蓄積させていかないといけない。
理系・文系の境界を越えていき、自由に行き来できるようなタイプになっていかないとなと思わされます。
昔から次の言葉がよく言われます。
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」
このことを理解して進めていくことが大事なのかなと。社会的なことで戦うのは非常に疲れますから。。。

この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義 世界篇 (文春文庫)
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/03/10
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