Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

呉漢  下巻/宮城谷 昌光 ~面白い。あっという間に終わってしまった。~

呉漢の下巻。

上巻がおもしろかったので、一気に読み進めました。

感想として、あっという間に終わってしまった。もっと呉漢と劉秀の絡みを見てみたかった気もしますが、そこいらは野暮という感もあります。

 

下巻で、劉秀が対抗勢力をたたいて、後漢の世がはじまったところで終わるわけですが。。。

様々な相手と戦っていくので、地理感覚がないと厳しいですね。なんども、地図を見直しながらの読書でした。

その中で、面白いなと思ったのは3か所。

 

一緒にはたあげした蓋延が大軍をあずかるようになっても、失敗を繰り返してしまう。そこに対する作者の評がなるほどなと。

大軍をあずかる将となって、その才が伸びず、器が拡がらないのは、もともとの志のありようと無関係ではあるまい。

きっと蓋延はいままでの仕事の延長線ですすめていたんだろうなと。だから、その限界を超えたときにキャパオーバーになってしまう。

だからこそ、自分がどうありたいのか?というのを何度も考えて、徐々にやり方を変えていくというのが必要なんでしょう。呉漢も速さという武器を手に入れるときに、ある意味やり方を変えたわけですし。

 

あと、新しいことを始めたら、責任もってクロージングをやる必要があるということ。新しいことを始めた人は、どこが問題になり、安定させるのには何が必要なのか?というのを七転八倒している中で身に着けている。その人が最後の最後まで安定して流れるようになるまで面倒を見るというのも大事なんでしょう。

その最後の〆の仕事の中で、後任へノウハウを引き継いでいけたらいいのかもしれませんねぇ。

ひとつのくぎりとして、あけた戸をとじなければなりません。そのようは戸は、あけた者にしかわからず、来歙どのや岑彭に閉じられるはずがない。かならず、主がおこなうのです。

 

敵について。見える敵はわかりやすい。でも、組織内部の戦いは無駄と思えるけど、そこいらは考えながら進めていく必要があるのかも。何かに固執すればするほど敵を作るのかもしれませんねぇ。うーん、ここは結構難しい。。。

敵といっても、内にある敵と外にある敵があり、見える敵と見えない敵があります。

 

積読になってたのはもったいなかったなぁ。。。上巻で作っておいた伏線も回収していますからねぇ。。。

欲をいうと、この時代に人、いろいろとみていきたい気もします。劉秀はあるんですけどねぇ。

呉漢 - 下巻 (単行本)

呉漢 - 下巻 (単行本)