Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

イノセント・ゲリラの祝祭 (下)/海堂 尊 ~パブコメっていいもんだと思ってた。。。~

上巻から一気に下巻へと流れ込んで、読み終わり。

うん、面白かった。

 

今回は、いろいろと行政の闇の部分を書かれていて、非常に参考になるところがありました。特に、一般に意見を求めますということが一体どういう意味か?と書かれているのが非常に面白い。

田口センセ、いいかげん医療行政の本質をつかまないと、この先、苦労するよ。僕たち官僚にとって議論なんて前菜にすぎない。内容を拡散し攪拌し、しっちゃかめっちゃかにして、初めからあった結論をぽんとメディアになげる。これにて一件落着、さ。パブコメ提案は願ったり叶ったり。だって議論を拡散、攪拌するには、うってつけだもの

パブコメを求めるということはどういうことか?そこまで、頭を回して、意味を考える必要があるのかと。

広く意見を求めるということは一見いいことのように思えるけども、結局多くの声が集まっても、背反する意見がでてくる。そこをうまく切り取ったり、収集がつかないなら、様々な意見が集まりました。という答えにもっていく。

結局は、結論ありきなんだなと。

そういう場面に出くわすと、裏を考えなきゃならないとは。。。非常に面倒くさい。

 

あと、彦根の主張が非常に面白い。医者の労働状況に対する発言とか、結構闇の深い部分に踏み込んでいる気がします。

むしろ、こういう考え方って、普通に働いている人にとって当たり前な感じもしますけどね。まずは、非破壊検査で見る。原因が特定できれば、それでよし。原因が特定できなければ、破壊検査に至る。破壊検査は最終手段であって、その前に非破壊を可能な限り実施する。

そういうことが普通な気がするんですが。

 

その感覚がないがしろにされているのであれば、法医学ってなんなんだろうなとも。だいぶ遅れているのかな?

でも、医学って優秀な方々がされているので、そんなことはないと思うんですよね。となると、行きつくのは金と既得権益の問題なのかも。

 

さて、次回作も早いうちに購入して読もうかな。

今回で伏線となってでてきているAiセンターがどう翻弄されていくのか?その物語が気になりますので。 

イノセント・ゲリラの祝祭 (下) (宝島社文庫 C か 1-8)

イノセント・ゲリラの祝祭 (下) (宝島社文庫 C か 1-8)