呉漢 上巻/宮城谷 昌光 ~圧倒的な速さ。そのすごみを感じますね。。。~
面白い。
劉秀の時代のことって、あんまり知らないんだけれども、読んでいるとあっという間に引き込まれて、気が付けば読み終わり。
なんというか、勢いがすごい。
呉漢という人物の流浪っぷりが面白い。
どこか劉邦の再来のようなスタートも面白いですね。亭長をやっていて、逃亡したりとか、結構似ている感じがします。
違うのは、自らが首謀者になるのではなく、流浪を続けていくところだけれども、どこか似ているなという印象が。。。
それと、自らを売り込むときに、どのように売り込むか?というのを考えて、ある程度の成果をもっていくというのもいい。
そして、スピード感がすごい。呉漢の武器は、その圧倒的なスピードにあるのかなと。常在戦場という感覚で戦っているので、号令がかかったら、あっという間に攻め込んでいく。その速度感に相手が対応する前に勝つ。
むしろ、その速度が相手の虚をつくことになっていて、呉漢側が準備できているのに対して、相手は準備できていない。その姿勢自体で差が生まれているのかなとも。
こういうのって、仕事の仕方とか、自分の生き方に参考になるかなと。結構速度感って大事で、相手に先手を打っていけることもある。
受け身で行くと楽ですけど、相手の予想を上回る速度感というのは、うまくはまると感動すらありますからねぇ。そういう仕事をしてみたいものです。
キ登のいう言葉に結構の重みがあるのがいいですかね。
よかったのはこの2つ。
頭のよいやつにかぎって、おのれの都合でしか、ほかをみない。政治は頭でするものではない。心でするものだ。
想定の範囲が狭くなるのが問題なんでしょう。やはり、いろいろと現実を見てみないとだめなんでしょうねぇ。難しい。。。
人の偉業がどの程度であるかみきわめられない者は、大きくおどろかない。おどろかない者に、たいした者はいない。うらやんでいるだけの者は、阿呆だ。
相手のしたことのすごさがわからないと、相手の判断もつかないですからねぇ。なかなかできることではないかと。。。
ただ、呉漢の兄から言われた言葉が一番いいかも。
人は助けないながら生きてゆくものだ。だが、人を助けたことはあえて忘れたほうがいい。助けてもらったことだけを憶えておくことだ。
助けられたことの恩義を感じて、生きていく。それっていい生き方かなとも。
どうも、宮城谷先生の書く本の言葉にはついつい引き込まれてしまっている気がします。。。