最後の伊賀者/司馬 遼太郎 ~短編集だけど、読み応えがしっかり~
最後の伊賀者を含めての短編集。
ブックオフの100円のところで購入しました。
発売日を見ると、すでに30年以上前の作品。でも、一気に読ませるものは時がたっても十分面白いということでしょうか。
印象的なのは、伊賀者の話。
下請忍者の話は、いろいろと逃げ回った挙句に、からめとられるという感じがして、ちょうど西遊記の悟空のようだなとも思ったり。
最後の伊賀者は、服部半蔵正成の息子の正就の話。親の代では、伊賀同心がまとまっていたのに、代替わりで軋轢が発生。
この軋轢をうまくまとめればいいのに、うまくいかず、逆に対立路線を描いたがために、反発をされて、一揆にまで話が大きくなってしまうという。。。
最終的に、正就が改易、さらには大坂の陣で行方不明という話になりますが。。。
この話、会社でもあるなと。オーナー会社の社長の代替わりならまだしも、部署でもありえますからね。。。
組織が変わるや、代替わりしていくときには、同じことが起こるのかもしれませんねぇ。そこで、下が折れて対応するのか、それとも、上も折り合うのか?そこいらが大事なのかもしれません。
お互いが意地をはりあうと、最後の伊賀者のような破滅的な結末が待っているという。。。ただ、下側もなぁ。もうちょっと考えて動いてもいいような気もしますがね。
あとは、道頓堀ゆかりの安井道頓。この話も面白かったですね。
おかみから話がきていたのに、いざこざでなくなったのを、金を集めて道頓堀を作っていこうとする姿、ある意味正しいのかもなと。
最後も、お世話になったからといって大坂の陣にでているし。
そう思うと、懐のでかいというか、不思議な人物な気がします。
この類を読むと、やはり、信長の野望とか、戦国バサラとかやりたくなってしまう。。。