Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

銀行員はどう生きるか/浪川 攻 ~原点を見失わずに、変わっていくしかないんでしょうね。。。~

メガバンクが人員を減らしていくという報道がでたり、地方銀行が合併したりと変化の激しい金融業界。

 

その激動の中で、銀行員がどうなっていくか?ということ。

現状、フィンテックとかが推進していくと、営業といった顧客と接する(フロント)は残っていくけども、銀行で現在人力でやっている処理部隊(ミドル、バック)が必要なくなっていく。その余剰人員を営業(フロント)に回していくことで、効率を上げていく。そういうことが進んでいっている。

ただ、今の銀行は、顧客からの預金の運用先がなかなか難しく、国債を購入したり、日本銀行に預けたりしている。そこに対して、マイナス金利とされてしまっているため、利回りがほぼ保証できず、自ら動いて金を貸していき、利息をとらないと利益があがらない構造になってしまっている。

少なくとも、人件費といった固定費は稼がないといけないというわけですし。

 

結局、読んでみた限り、フィンテックが進んでいく限り、どんどん役割がなくなっていくのを考えてみると、銀行員が原点に立ち戻るということになるんですかね。

ビルゲイツは、「銀行はいらなくなる、ただし、銀行機能はいる」のような趣旨の発言をしているようですし。

 

顧客と一緒に考えて、顧客にあった最適なものを提案していく。その中で、融資であったり、保険や証券の案内であったり。

そのためにも、知識をつけて、ファイナンシャルプランナーといった資格をつけて、資格をもとに商売をしていく。

まるで、銀行員というよりも、士業といった感じになっていくんですかね。

 

最後に、本書の最後の言葉。

銀行が激変するなかで、銀行員の職場環境も社会的な立場も変わる。安定も失われるだろう。しかし。銀行本来の役割は何ら変わらない。それを強く意識せず辞任削減のみで胸を張る程度の浮ついた経営者は人工知能に替わればよいが、顧客とともに悩み考える銀行員は、いかにすぐれたIT技術でも代替できない。

 

現状に胡坐をかいていては、現状維持はありえない。先を見据えて、将来大きくなるようにあがいてみても、失敗してしまうこともままある。

そう思うと、どの業界でも同じなのかもしれません。 

銀行員はどう生きるか (講談社現代新書)

銀行員はどう生きるか (講談社現代新書)