Otra célula del cerebro

気が向くままにだらだらと書いていきます。

オレたち花のバブル組/池井戸潤 ~香川さんのあのにくたらしい演技が忘れられない。~

読んでると、ドラマの堺雅人さんと香川さんが頭にでてきて、暴れまわります。やはり、この2人の演技は鬼気迫るものがあって、印象的だったんだと思いつつ、一気に読み終わりました。

 

老舗旅館の120億円の負債。この回収に向けて話が進みますが、この120億円という途方もない金額を回収するために、老舗旅館の立て直しの策として、様々な手が使われていきます。

そこに、金融庁の監査や近藤の出向先での話しがからんできて、どうなっていくのか?というのがはらはら、どきどきものでした。

 

この話の中で、印象的なのは、最期のところですね。

会社の不正を暴き、英雄となったはずなのに、張本人が出向になるという話がね。これが会社のバランス感覚なのかな?と思ったりします。

なぜ、半沢が出向になったのか?というのを考えると、大和田派への配慮なのかな?と思ってます。

鋭利で切れすぎる半沢を手元においておくと、いずれは自分もきられる可能性がある。さらに、合併でまだ銀行内が一枚岩となりきれていない状況で、対立を煽る、ないし対立を作り出してしまう半沢は、使いづらい人物であると認定されたのかもしれません。

だから、外に出して、一度様子を見るという判断を下したのかな?と読んでます。

 

こういうのを見ると、人事というのは大変ですね。会社内のパフォーマンスをあげるには、適度な緊張感はいいが、お互いの足を引っ張るような内ゲバなんてやる必要はない。その不安定因子をいかに排除するか?みな、同じ方向に足を向かせるか?に骨をおっているような感じがします。

 

人生きれいごとだけではない。様々なことを考えて、行動する必要があるということなんでしょうね。

各個人が会社として、ベストな状況は何か?ベストな答えは?というのを考え、自分の利益だけで動くというのはダメなんでしょうねぇ。各個人に正義があるとすれば、その落としどころをどこにすえるか?それが大事なところであり、その人の才能というか能力なんでしょう。交渉力がある人は、押すところは押し、引くところはあっさりと引くこともするわけですから。

まぁ、コンプライアンス違反を見逃すのはいかがなものか?と思うので、そこらは徹底的に叩きのめせばいいと思うんですけど。。。

 

ただ、次の「ロスジェネの逆襲」を読むと、おとなしくすることもなく、暴れまわっている半沢がいるわけですから、あいかわらずだなぁと。

こういう人間をどう使いこなしていくか?上司である内藤部長の動き方が非常に気になります。

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

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