敵が味方で、味方が敵でというのが目まぐるしく変わっていく観応の擾乱。
尊氏が、北朝から南朝へ。そして、北朝へ。直義も南朝へいったりと、目まぐるしく動いていく。
これ、読んでて思ったのはついていけないということ。人の動きも含めた年表かなんか作らないと全容把握は困難だろうなというのが、読んでの感想。
それぐらいがんがんに人が動く。
むしろ、人が動きまくるがゆえに、面白いといえば面白い。まさか、その手があるのか?的なことも起こるわけですし。
特に、北朝間で戦うのではなく、南朝を巻き込むあたり、節操がない。使えるものはなんでもつかってやれという感すら受けてしまいます。
その中で、尊氏のすごみというのがわかるのが、一度負けてからの巻き返しのところ。
恩賞充行が不十分だったからこそ、不満に思う武士たちが直義に身化して敗北したのだ。ならば、自身が将軍として恩賞充行を広範に行えば、離れた武士たちもふたたび戻ってくるに違いない
ここで、判断したら、一気呵成に動いていく。その人が変わったかのような尊氏の行動の変化ぶりがすごい。
むしろ、この判断があったからこそ、一気に巻き返し、情勢をひっくり返したといっても過言ではないかと思います。
それにしても、この観応の擾乱自体が、利益や権益の奪い合いみたいな感じですかね。それをするのに、よそ(朝廷)を巻き込んで、おおごとにやっているからたちが悪い。
そう思うと、転がり込まれた南朝も大変だったろうなと。
ふと思うのですが、企業の内輪もめ的なものもあるんだなと。会社内のことをお客様まで巻き込んでのおおもめ。
うーん、大塚家具の親子対決をふと頭によぎってしまいました。その対決が最終的に株主に判断してとなってしまいましたし。。。
この話を見ていると、人間というのは600年以上たっても変わらないのだなとついつい思ってしまいます。
このぐちゃぐちゃの状態であとを引き継いだ義詮や、南北統一につなげた義満はすごい苦労したんだろうな。
統一しておかないと、また再発するかもになってしまいますしねぇ。。。
そう思うと、ここの話をきちんと見とけば面白そうですねぇ。

観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書)
- 作者: 亀田俊和
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/07/19
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